LA PÂTISSERIE DES RÊVES
ラ・パティスリー・デ・レーヴ
111 rue de Longchamp 75016 Paris
Tél:01.47.04.00.24
Métro:2番線 Victor Hugo
月曜定休 火〜金 / 10:00〜20:00 土・日 / 9:00〜20:00
http://lapatisseriedesreves.com
今、パリで最も進化した伝統ケーキを生み出す夢のパティスリー
2009年にラ・パティスリー・デ・レーヴの最初のお店(7区、リュ・ドゥ・バック店)ができたとき、パリ在住歴の長い女友達が「ねえ!すごくかわいくておいしいケーキ屋さんができたの。」と乙女のような目をして、私を店に引っ張っていったのを思い出す。連れて行かれたそこは、ガラスドームがずらり並んだ宝石店のような、近未来のケーキ屋さんだった。その半年後、16区の閑静な高級住宅街にサロン・ド・テを併設したより広い2号店が出来た。経営者のThierry Teyssier氏は、数々のヒット店を作り上げる、名腕のプロデューサー。様々な商業分野における、その年の貢献者に賞を贈る“ Talent du Luxe et de la création ” 2010年にて、“ 今年最も幸福感を与えた貢献者 ” 賞を受賞している。(同じ号で紹介したセバスチャン・ゴダ−ルは、パティシエとして“ 今年最も斬新なアイディアを生み出した” 賞を同年に受けている。)そんな敏腕経営者のティエリーさんが、現グラン・パティシエのフィリップ・コンティチーニ氏を招き入れ『夢のケーキ屋さん』という意味を持つラ・パティスリー・デ・レーヴをオープンした。コンティチーニ氏は、ミシュランのひとつ星レストランLa Table d’Anvesなどで働いた後、1991年の“Pârissier de l’année 2010”(その年を代表するパティシエに贈られる賞)を受賞。その後、2003年にはパティシエ世界コンクール・フランスチームのコーチを勤めた。こちらのケーキの最大の特徴は、なにより鮮度を重視していること。注文を受けてから組み立てるシュー・ア・ラ・クレームやミルフォイユはこの店の看板メニューとなっている。職人さんたちも交代制で毎晩夜中2時まで、翌朝8時から2つの店舗に配送されるケーキを厨房でこつこつ作っているという。可愛い店構えの裏には、日夜おいしいケーキ作り続ける職人たちの絶え間ない努力があるからこそ、人に夢を見させる特別なケーキが生まれるのだ。2012年9月には、京都・高台寺の近くに日本第一号店もオープン。京都にお寄りの際にはこちらへもぜひ。
(写真左)女の子の夢を形にしたようなかわいいディスプレイの店内に、あなたも思わず「きゃー!」となること間違いなし。
(写真上)お店の奥には、テラスを配した明るいサロン・ド・テが併設されている。特に春先の温かい日は、このテラスで出来立てのおいしいケーキを食べたらきっと幸せだろうな。 |
注文を受けてから絞り出されるシュー・ア・ラ・クレームは、シューのかりかりもクリームのしっとり感も両方生きたままお客様に提供される。フレーバーは《ピスターシュ・フランボワーズ》《ヴァニーユ・シトロン》《ヴァニーユ・フランボワーズ》など、日替わりで数種類の組み合わせがある。Chu a l’unite 各2.50€。 |
【Foret Noire 17€】 フォレ・ノワールといえば、ドイツ菓子がルーツのチョコレートスポンジに真っ白な生クリームとキルシュ漬けされたさくらんぼのお菓子をすぐに思い出すけれど、説明されるまで、これがあのフォレ・ノワールだとは思わなかった!というくらい、インパクトのある、“ そのまんまさくらんぼ ” 型のケーキ。表面は薄いショコラでかたどられていて、その上にさくらんぼのジュレが覆っている。2つに開いてみて、またびっくり!ショコラのスポンジに生クリーム、キルシュ漬けと、元来のフォレ・ノワールが全部中にきちんと収められている。見た目とは異なり、味わいはいたって軽やか。大人の誕生日ケーキにイチオシです。 |
【St-Honoré 6.90€】 飴がけしたプチシューとパイ、シューバトンを組み合わせた、伝統の丸いフォルムとは似ても似つかぬ新しいコンポジションのサントノレ。斬新な見た目にくらべ、味は忠実にトラディショナル。甘さをかなり押さえたクレーム・パティシエがシューの中を埋めていて、土台のパイ生地もすこぶる香ばしい。大ぶりだから、ふたりで分けてちょうど良い大きさ。 |
【Eclair café fort 5.50€】 和菓子を彷彿とさせる薄いショコラ包みの形状に、見たこともないエクレア!と驚くが、食べてみればもっと驚き。なんだこの、まるでそのまま淹れたてのコーヒーを飲んでいるかのような香りは!『濃いコーヒーのエクレア』という名前通りの、パンチのある風味、滑らかなクリーム。甲乙付け難い今回の特集ケーキたちの中でも、編集長の個人的な好みベスト3にランクインしたのが、こちら。細かな金粉をうっすらまとい、美学のある大人な佇まいも◎。 |
【Paris-Brest 5.50€】 ラ・パティスリー・デ・レーヴの看板ケーキのひとつと言えるのが、斬新なフォルムのパリ・ブレスト。小さなシューが6つ連結した形は、食べやすさや切り分けやすさも考慮に入れたものだとか。20世紀初頭、パリ⇔ブレスト間を往復する自転車レースにインスパイアされて、『メゾン・ラフィット』のパティシエだったルイ・デュランが生み出した。ふわふわのノワゼットクリームの中心に、やはりノワゼットのエマルジョンが仕込まれていて、食感は優しいのにはっきりとした味の輪郭が楽しめる。 |
BONZOUR JAPON Nº 31 [今、一番気になるパリのパティスリー] より
*取材データは最新のものですが、ここで紹介される品物の値段、および各店舗の営業時間・定休日は急に変更されることがあります。また、文章は取材当時のものを使用していますことをあらかじめご了承ください。